第262章 居場所のない感じ

蒸し暑い空気が、寮の中に漂う。

蒸し暑いなぁって、ルームメイトがそう文句を言っている。

でも自分がそう思わない。

全然そういうのは感じてこない。

いつものようにブルーだった。

どんな気分だって聞かれたら。

きっと『この世界には自分の居場所にいないって思うんだろう。

もう電子バイオリンを使ったのにね。

音の伝達する箱がなくて。

電力も入れてない。

ただ空気を通じて、四分の弦の音を奏でる。

その音は一般的に言えば。

所詮キーボードを打つ程度の音しか出ない。

弱音機が付いた音よりか弱くて、自分の個性を極めて圧制しているとはほぼ同然。

それなのに、ただ、届きたい。

他人に認められたい。

そういう小さな願望を持っている。

でも向こうはその後そういった。

『ドアを閉めて!バイオリンってウザイだよ。』

『……』

私はしばらく沈黙した。

『てめぇ!ドアを閉めろ!』

その後は大叫ぶだ。

『……コン。』

私は何も言わずに、ドアを閉めてた。

それでも、かすかな向こうの声が聞こえる。

私に罵っているようだ。

別に他人に認めてくれたくないって言ったらきっとうそだ。

友達や先生にも私に『他人の目線を無視して、お前がすべての人に認められないよ。』

て何度も何度も言われたが、まだ全然変わってない。

別に自分が変わりたくないわけじゃないが。

でも芸術というものは。

小説や美術、そして音楽や言語など。

いかに様々な領域にあるとしても。

その中の通りは簡単に変わらない。

すべては表現力の技術だ。

その点があったら、もちろん進む時は他人から届けてくれた評判は大切なんだ。

適当の褒め言葉は疲れた心をしみじみと治癒できる。

そして新しい前向きのメンタル的なエネルギーを得て、前に進むこと。

でも、他人からのネガティブな感情やコメントが多い場合にも、その人の心が落ち込んで、弱くなる可能性もある。

最も気まずいのは。

せっかく何十時間かけて絵を完成したところが、自分が完成した作品をネットで見せれば見せるほど、『なんで誰も来ないの』『いいねが足りない!』

コメントが全然ないって感じられる。

音楽も同じなんだ。

前には自分が楽しむこと。

今は逆になって、他人に罵られて、遠慮せざるを得ないものになっちゃった。

実に風刺的な話だった。